代表取締役 取締役会長
- 神田 正
- 株式会社ハイデイ日高の創始者であり、現・代表取締役 取締役会長として、主に「店舗開発」と「経営の決定」を担当。
創業当時は、ラーメン屋に入社したら3~4年で独立するのが当たり前の時代でした。まさかラーメン屋が何百店舗も出店して、株式を公開して上場するなんて、そんなことをした人は誰もいなかったし、そんなことを言ったらバカにされる時代でした。だけど、その時に信じて残ってくれた創業メンバーがいたからこそ今がある。だからやっぱり大切なのは人なんですよね。
ー神田会長
会社を大きくするのは大変ですが、社員の福利厚生を含めた待遇を良くしていくためには、会社の経営規模を大きくしないと応えられない。現状維持だと物価も上がりますし、利益を出すことができないんです。経営規模を大きくするのは、ひとつには自分のロマンもありますが、ただラーメン屋で働くというのと、東証1部上場企業で働くというのは決定的に違うんですよね。上場企業の社員だとローンも組みやすいし、金利も低いんです。そういうことも社員のためになると思うんですよね。また毎年20~25店舗出店していきますから、そうすると毎年25名の店長、1~2名ほどの地区長の役職ができ、どんどんキャリアアップできるのもいいですよね。それと、うちはまだ首都圏しか展開していないので、これから大阪、名古屋、そして、ヨーロッパ、アメリカだって行ける。アジアなんかいつでも行けるんですから。そういう夢があるのは社員にとって大きいですよ。
ー神田会長
企業というのはよっぽどのことがなければ倒産しません。100年、200年続きます。社員は22歳で大学を出て、60いくつまで勤めるわけです。わずか40年の社会人人生の中で、この会社に縁があって入ってね、会社の犠牲になることはありません。楽しくやらないと。会社は続いて行くんですから。もちろん上場企業なのである程度の利益は必要ですが、「社員を犠牲にしてまで会社の利益を出す必要はない」ということを社員には言っています。だから、会社をうまく利用して楽しい人生を過ごしてほしい。だって、人生は幸せになるため。お金を貯めるためじゃないと思います。いい家族に恵まれて、いい友人に恵まれて、健康でいるのが人生であって、お金なんて貯めたってつまんないですよ。だからうちは、余計な利益を出そうというつもりはありません。適正利益でいい。社員が明るく元気で働いてくれる会社をつくりたいんです。
ー神田会長
現在、当社では「店長自主管理経営」を行っています。昔はトップダウンで数字を求めていましたが、今は優秀な店長がたくさんいますので、自分で自分の店舗の問題点について考え、改善するためにどういう行動に移してどういう結果になったか、そういった一連の仕事をすべて各店舗の店長に任せています。つまり、すべての店長が経営者ですから、それぞれ知恵を振り絞って、フレンド社員も巻き込みながら成果を挙げている店長がたくさんいますね。一番立派になったと感じるのは、店長が自分一人じゃ何もできないと理解し、フレンド社員に協力してもらっていることに対して、しっかり感謝を表すことができるようになった時です。特にアスリート系の人は上手いですね。学生時代チームワークづくりで苦労しているので、お礼を言ったり、挨拶をしたり、言葉をかけたりするのが上手です。今優秀な人は1年くらいで店長になりますからね。実際、昨年入社した方がもう店長として働いていますよ。
ー高橋社長
能力には、職務能力と人格能力があると思うんです。職務能力はあくまでもお店をうまく運営するといった仕事の能力。人格能力というのは、人間力とか、人から憧れられるような存在になるための能力。今はその両方を磨こうという話をしています。特に人格能力が大切です。当然若いうちから人にいろいろと指導をし、上司と部下の関係になって人と向き合うわけですから、仕事がいくらできても、人間性が悪いと人が辞めていってしまう。なので、仕事力プラス人間力をつけないと人の上に立ってやっていけないんです。だから、勉強会とか研修でこういった話をしています。「人格能力を高めましょう。仕事も大事だけど、もっともっと人から尊敬されるような人間になりましょう。そうしたらもっとお店の経営が上手くいきますよ」と。
ー高橋社長
私は人を使っているという気持ちはないですし、みんなが頑張ってくれるおかげで、こんな私が社長でいられるわけですから、本当にありがたいですよ。社員の成長はそのお返しができているようで一番嬉しいですね。社員が店舗責任者、店長になる時には必ず私の部屋に集まって、その時にも様々な話をして「おめでとう、今はまだ一番下の店長だから、早くもっと上を目指して頑張ってくださいね。大きな会社にしますから、もっと成長しますから、あなたも成長してくださいね」と最後にみんなと握手してお別れしています。自分の子どものように感じていますので、人が育つのは本当に嬉しいですね。16期連続増収増益が続いているのは、トップではなく社員の成長のおかげ。社員が成長しているから、会社が成長しているのだと思います。
ー高橋社長